2017年4月7日金曜日

"強がり時計” シアターの女神、野口由芽 最終公演!vol.1


「 SKEでの4年間をやりきったって、自信を持って言うことができます 」




去る2月28日、我らが ”シアターの女神”(ヴィーナス)”ゆめち”こと野口由芽が、チームS「重ねた足跡」公演にて、実に晴れやかな笑顔と共に、SKE48での全ての活動に終止符を打った。



1月25日の突然の卒業発表から約1ヶ月。



当初、あまりに短すぎる卒業期間に戸惑わされたものの、逆にこれがスケジュール的にもファンの想いとしても凝縮されるという効果を生み出し、非常に濃密な充実した卒業ロードとなるに至った。



我々ファンの熱きリクエストが実る形となった、総選挙ランカーでもない、シングル選抜でもないメンバーとしては破格の扱いとなったAKB48SHOW!への出演を始め、ラジオを中心とした彼女を惜しむ各方面からのオファーなど、劇場や握手会でも実現した”数々の奇跡”と共に、本人にもファンにも決して忘れ得ぬ疾風怒涛のラスト1ヶ月となったことは間違いない。



ブログなどでも語られていた通り、単に「足を怪我したから」ではなく、これから「進学を目指すから」でもなく「将来を見据えて春から大学へ」という、今までの活動の延長線上に見えた、あくまで明確な希望ありきの前向きな卒業発表にしたかった!というところに彼女のこだわりが見て取れる。



この日も見受けられた彼女の前向きな姿勢、自然体で心からあふれる笑顔、未来を見据えたしっかりとしたその言動にはもはや、かつてのデリケートで涙もろい印象が強い、ネガティブな少女の面影はなく、見事にたくましく成長した間もなく大学生となる”大人のゆめち” がそこに存在していた。



自己紹介MCでも、まず語られたのは、この日をもって6期生がお披露目から、ちょうど4周年を迎えたことと、こんなにもたくさんのファンに出逢えたことへの”感謝”からであった。


この日も2015年、足のケガからの復帰を機に名乗り始めた ”シアターの女神(ヴィーナス)” は最後までその名に恥じぬ進化を見せてくれた。





屈託なく明るく元気なオープニングナンバー「Gonna Jump」「手をつなぎながら」から一転、”少女の胸の奥に潜む狂おしい情念” を歌った「innocence」へ。


長年、あの松井玲奈の名曲「枯葉のステーション」を誰よりも説得力を持って歌い継いできた彼女らしく、指先まで神経の行き届いたしなやかさと、物憂げな表情の中に時折小悪魔な笑みを織り交ぜながら、我々をゆめちワールドへ誘う。


「強がり時計」では”不器用な主人公のせつなすぎる悲恋” を自身の不器用な性格にナチュラルにシンクロさせることで、思わず粉雪降りすさぶ詞の情景が浮かんでしまうほどに、胸が締め付けられるようなパフォーマンスが眼前に迫る。



「 純粋すぎるがゆえに垣間見えるある種の狂気、情念 」



松井玲奈に通底するその魅力は、特に陰影のある曲でこそ、その真価を発揮するのだ。



それだけではない。18歳の彼女が最も楽しんで意欲的に取り組んでいるように見えたのが、この日は残念ながら休演となった松井珠理奈のソロナンバー「赤いピンヒールとプロフェッサー」だ。





”大人の恋に憧れる小悪魔な女子大生の背伸び感” が魅力の一曲である。



小学生時代から培ったバレエ仕込みの、しなやかで流麗な動きとシルエットの美しさ、手先の器用さとセンシティブで職人気質な性格が反映された、細部に魂を宿らせんばかりの指先から足先まで神経の行き届いた繊細な表現が光る!


ゆめちらしい清楚感溢れるCUTEな背伸び感と相まって、珠理奈の問答無用の貫禄パフォーマンスとは全く異なるオンリーワンの魅力が存分に発揮されていた。基本的には、地味な雰囲気の優等生タイプである普段の彼女とのGAPも大いに楽しめる1曲となっている。



数回前の公演では、まさにその珠理奈とペアでの「赤ピン」という奇跡の共演が実現したのだが、全く気負うことなく喜びに満ちた表情でやりきっただけでなく、この日も見せてくれた繊細な表現はその指先から、まるで”魔法のようなオーラ”が放たれているのでは?と見まがうほどの、思わず息をのむような美しさにまで昇華していた。



かと思えば、清涼感あふれる片想いナンバー「コップの中の木漏れ日」では、その爽やかな純白衣装と共に”淡い恋の対象として憧れられる無垢な少女” への抜群のフィット感を感じさせてくれる。





ある時は大人びた表情、ある時は可憐な少女…



この年齢特有の魅力が曲によって目まぐるしく入れ替わり、それぞれ今しか出せない”ゆめち”となって凝縮されていた。



”シアターの女神”に偽りなし!



幸運にもその最後に同席できた僕の目に飛び込んできた彼女は、まさにアイドルとして 心、技、体 ともに臨界点を迎えた



”可憐で美しきヴィーナス” そのものであった!



(つづく)

SKE48勝手にプロデューサー!(笑): "不器用太陽” シアターの女神、野口由芽 最終公演!vol.2