2016年7月17日日曜日

歓迎すべき非アイドル曲!「金の愛、銀の愛」




新曲「金の愛、銀の愛」が披露された。


電子ピアノから始まるやや暗めのマイナー調のメロディーが
聞いたことのない、見たことのないSKEを予感させ
久々に初見のオンエアでゾクッとさせられた。


SKEどころか、はっきり言って全然アイドルっぽくない!(褒めてます)


なんという地味な衣装!、、ましてや前作「チキンLINE」と同じ黒を
続けて基調色とするのは通常では考えられないはずだ。(褒めてますよ)


正直、あまり期待していなかったのだが、安易なアイドル路線とは
ほど遠い作風に、かなりの斬新さを感じた。


振り付けや表情の作り方も含めて、演劇的なアプローチ色が強く感じられ
アイドル力を越えた表現力、演技力が問われる曲だ。
今回のオンエアでは珠理奈や奈和ちゃんはもちろん、くまちゃんや楽々ちゃん
の意欲的な表情やパフォーマンスが特に印象に残った。


芝居がかった演出は、欅坂46の新曲「世界には愛しかない」
とやや被る印象もあるが
その手の路線が今、秋元康のマイブームなのかもしれない。

主題歌のドラマありきなのか、単独曲としては歌詞のメッセージ性が
やや弱い気もするが、今までにない新鮮なアプローチを素直に評価したい。


現在のSKEが置かれた状況は、今までの主にヲタや若年層ウケを狙った路線
だけでは先細り感が否めず、
良い意味でアイドルの枠を越えたところに軸足を移すべき時期に来ているはずだ。

夏曲としては単純に…重い、暗いという印象もあるだろうが
今までにない路線に進んだことは歓迎すべきだろう。


今回、地上派ドラマ「死幣」の主演女優として大きな一歩を踏み出した
珠理奈とシンクロすることによる相乗効果も期待できる。



選抜に関しては、安易な珠理奈センターに組するつもりはないが
今回は主演ドラマの主題歌ということで、異論を挟む理由もないだろう。


その他、新選抜が3人加わったことは(竹内彩姫、日高優月、斉藤真木子)
大いに喜ばしいことだが、全体としては想定内の人選で
楽曲イメージに合わせるなどの思い切りには、やや欠ける印象だ。

欲を言えば、こういった

「自らにとって真に価値のある愛の大切さを問いかける曲」

なら、それらしい要素を感じさせる表現力のあるイキのいいメンバー
例えば、野口由芽や末永桜花などの抜擢があっても良かったのでは?と感じる。



個人的には、まるで「金の愛、銀の愛」という名の舞台演劇において
クライマックスシーンを切り取ったかのような、斬新な印象を受けた。


楽曲のクオリティ的にも、アレンジ次第でコンサートなどで
非常に映えるポテンシャルを感じさせてくれる。


既存のSKEのイメージを更新するキッカケになるような
そんな可能性を感じさせてくれる新曲に期待が膨らむ一方だ!

2016年7月13日水曜日

その生き様を目撃せよ!スピーチに見る須田亜香里論


涙..涙の選抜落ちから1年、

我らが”だーすー”こと須田亜香里が、総選挙にて”神セブン”となって帰ってきた!



総選挙での須田ちゃんと言えば、13年に初選抜入りした時の


「瞳の中のセンター」というフレーズが評判になったことは



まだ記憶に新しいことでしょう。



確かにうまいフレーズだとは思ったが、その評判がある種の足かせとなり、彼女はもっともらしく「いいことを言おう」とやや勘違いするようになったと思う。


それが翌年にストレートに出て、空回りしてしまった結果


まとまりのないダラダラスピーチとなって、大不評を買うことになった。



そして選抜落ちとなった昨年は、その結果を受け止めきれないままの号泣スピーチ!



しかし、そのときの彼女は素の感情が爆発し、悔しさが言葉の端々からあふれ、どうしていいのか分からない、もどかしさがそのまんま出ていた。



僕は、これこそが須田亜香里だと思った。



かしこまった優等生的なスピーチなど、全く似合わない!

かっこ悪くても、感情を爆発させるような”らしさ”を見せてほしいのだ!



選挙後の写真撮影さえもボイコットするという前代未聞の醜態を見せた結果となったわけだが、たとえ無様でも、そのままをさらけだしたことで、そこからどう這い上がるのか
には自然と注目が集まることになる。





結果、彼女はそれまでの自分を追い込む努力型一辺倒とも言えるアイドル路線を一旦壊す決断をした。


ラジオなどでも情緒不安定さをそのままさらけだし、髪を染めて人間宣言をするなど(笑)方向性に試行錯誤の一年で世間的に大きな仕事こそなかったものの、そのジタバタする泥臭さが彼女らしさに繋がっており、うまく引き出されていたように思う。



要するに彼女は、生き様系の人だ。


時には七転八倒の醜態をさらしながらも、そこから這い上がろうとする生き様そのもので人に感動や情熱を伝えて行くタイプだ。




タイプ的には大物で言えば



プロレスラーなら、アントニオ猪木、大仁田厚、ミュージシャンなら、長渕剛などと通じるところがあると言ってよいだろう。


だから彼女は、カッコ悪ければ悪いほど、逆にそれがカッコ良さに繋がっていると思えるところがあるのだ。




今年は、やけに謙虚な姿勢で清々しさを感じさせてくれた。


去年の自分を振り返って「結果がすべて」に捕われていたと、その心境を吐露してくれた。


単純に今まで気付かなかったの?と思った人もいるかもしれないが



そこに彼女ならではの重みを感じることができる。


幼い頃から決して好きではなかったバレエを続けて全国トップクラスにまで登り詰めた彼女は残酷なまでに結果がすべての世界で生き抜いてきたのだ。



彼女はバレエで実践してきた方法論で、ところを変え”アイドル道”を邁進してきたのだ。



そのアスリート的な姿勢は非常にSKE的でもあり、個人的にも熱くなれるポイントなのだが、そのやり方が限界を迎え、より幅広い視野に立ち脱アイドル的な試行錯誤が行われたのがこの一年だったと言えるだろう。


過酷なアイドル道を自らに荷し、アスリート的なアプローチで突き進んだ先に待っていたのは、もう一回り大きな”タレント”としての須田亜香里に生まれ変わる為の大きな壁であった。


そう簡単に越えられる壁ではない。



でもファンは彼女の七転び八起きを見守りつつ確実にその先に光を見出している。「内面まで見て下さる」と言うように彼女のファンは全部ひっくるめて、その生き様ごと彼女に魅せられているのだろう。


単純に昨年の悔しさだけではない、強固な信頼関係あってこその、納得の神セブンであったと言えるだろう。


実際のスピーチでは、さすがに緊張は隠せない様子だったが変にハラハラさせられるようなところはなく

ありのままの自分をさらけ出しつつ、自分の言葉で語り、まとめるというキャプテンとして求められるところにも進歩が見受けられ、大いに評価されて良いスピーチであったと思う。


だが、あえて少しだけ注文をつけておきたい。



小器用にうまくしゃべり、まとめるだけでは須田ちゃんらしくない。まともにスピーチできないというイメージを覆したかったのはわかるが



過剰なほどエモーショナルな、感情に訴えるバタ臭さこそが

最も ”須田らしさのダシ” が出るポイントであることを忘れないでほしい!


”不器用で泥臭い生き様そのもの” こそが須田亜香里、最大の魅力なのである!!


2016年7月7日木曜日

間を恐れない!島崎遙香、余裕のエンタメスピーチ


僕なりに客観的に見て、今回の総選挙で一番魅力的だったスピーチは、ダントツで、ぱるること島崎遙香であった。



全体として見た場合、2013年の総選挙 = お祭り路線に舵を切ってから、緊張感あふれるスピーチが減り、年々物足りなさが拭えないのだが、彼女に関しては別だ。



ぱるるの一番すばらしいところは ”間” を恐れないところだ。


変に ”いいことを言おう” として気負わないところも自然と彼女の魅力を引き出している。



劇場やコンサートMCでもそうだが、極端に間を恐れ、いたずらに言葉を連ねようとするメンバーがいるが、正直あまり話が入って来ない。


特にあれだけの大観衆が相手だと、うまく拍手を誘ったり、次に何が出てくるのか、引き込む為の”間”が重要になってくる。


テンプレート気味に感謝の言葉から入るメンがほとんどのなか、ふいに、切々とした口調で選挙に出た心境を語り始めるところでまず、グッと引き込まれる。



そして、支えてくれた同期の横山に感謝を示すところで、思わずほっこり。



間ができても「何言おっかな〜?」



とおどけてみせるところなど


元々マイペースな性格の彼女ではあるが、責任のある外仕事を重ねて、一回り大きく成長し、その余裕を感じさせる姿には素直に感心させられた。


さらに、時間があると見るや映画の宣伝を話し始め、

おいおい!と突っ込みたくなるところを

出演していたドラマのフレーズで切り抜けるなど、うまさも見せる。



極めつけは、まとめに入った徳光アナに突如プロレスを仕掛ける!というサービス満点のオチまで付けてくれたところだ。


突然の振りで、あの徳光アナをフリーズさせるなど(笑)まさにこれぞエンタメ的なドキュメントショーの醍醐味と言ったらちょっと褒めすぎだろうか?


ここまで成長してくれれば、ラスト総選挙も納得のすばらしいスピーチでした。



賢いメンバーはついつい、”いいこと”を言おうとして無難にまとまった優等生スピーチになりがちなのだが、彼女にはそういった”作為的”なところが感じられない。(ように見える)


簡単にマネできるものではないが、彼女のスピーチには適度な緊張と緩和、そして効果的に間が配置されており、当たり前のスピーチから脱却したいメンバーにとっては参考にしていただきたいヒントが詰まっているように思う。


個人的にはあのくらいのランクだと、もはや順位よりも

「どれだけ印象的なスピーチができたか」

のほうが大切なのではないかと思う。



何かと問題視されることも多い彼女だが
ここ一番でキラリと光るものを見せてくれるところはさすがである。

2016年7月4日月曜日

もっとKYになれ!古畑奈和へのジレンマ




今年の総選挙で箱推しとして最も想定外だったのは、

古畑奈和ちゃんが昨年と同じくアンダーガールズ止まりであったことだ。


結局選抜も各自ランクアップしたものの、珠理奈と須田ちゃんのみという事実。



これは先に卒業を発表した柴田阿弥なきあと、現状4期生以降でこれといった


突き抜けた存在がいないことを端的に表している。



昨年の順位(24位)からして今回は入ってくるだろうと、おおむね予想されていた奈和ちゃんが今一歩、抜けきらなかった原因はなんだろうか?


具体的には前回より票数は約3000票も伸ばしたにもかかわらず順位的には5ランクダウンの29位。


ただこれはモバイル票が去年の倍になったことを考えれば

それがそのまま上乗せになった印象で、なんとしても奈和ちゃんを選抜に!という熱が波及するまでには至らなかったと言える数字ではないだろうか?


奈和ちゃんの選挙前のメディアやブログでの発言は概ね

SKE内でのポジション争いにこだわるより、珠理奈を支えることで団結してグループ全体として盛り上げていきたい

と言った主旨のものであった。



確かにその通り!SKEのために!多くのメンバーがそう口にしている。



SKEの現状を考えれば、普通に正論なのだが



総選挙という舞台に上がる”役者”としてはちょっと優等生過ぎて食い足りない印象だ。



できれば、時としてグループ内摩擦を、ある種”演じる”ことでファンを引き付けるというプロレス的な視点も、持ち合わせてほしいのだが、それはちょっと贅沢な注文なのかもしれない。


だが、総選挙は基本は個人の戦いなのだし

「 私がSKE内でポジションを上げることで珠理奈さんの負担を少なくできれば 」

くらいのピリっとした発言がほしかった。



かおたんのYoutubeのインタビューでも見受けられたが


なおちゃんはやや空気を読みすぎているところがある。



良く引用される、秋元康の「嫌われる勇気を持ちなさい」が必要なのかもしれない。


メディアなどでSKEを今後どうしていきたいですか?

などと聞かれる機会が増えてまだどう答えて良いものやら戸惑っている、と語っていたが
正直、考えすぎているように思う。


元々なおちゃんはトークが苦手だ。

かなりまともにメディア対応もできるようにはなったが、



あくまで歌い踊り、演じる表現者として才が秀でているメンバーであって、饒舌さが売りではない。



現在19歳、ちょうどベテランと若手の狭間で難しいポジションであることは確かだ。


柏木由紀の最近の発言にもあるが、基本的に10代のうちは、まず自分をどう磨くか、アピールするかを優先で良いと思う。


SKEは”SKEのために”という、ある種のイデオロギーが強すぎるため、後藤楽々のような若手メンバーでさえも繰り返しそう口にすることが多い。


フロントメンの自覚として気持ちは分かるが

それを気にかけて活動を求められるのは、キャリアにもよるが基本二十歳以上のメンバーで良いと思う。自分が光ることで貢献できればそれで十分だろう。


なおちゃん、空気を読んでばかりいては突き抜けることはできない!

饒舌に語ろうとするより

その才を生かして存分にステージで暴れ回ってほしい!


君は今、まだそれで良いのだ!!