初めて彼女を公演で見たのは、まだ初代チームEが「逆上がり」をやっていた頃だ。
握手会での評判も高かったのでマークしていたメンだったが、自然と目がいくパフォーマンスで、すぐさま引き付けられた。
よく表現力が高いと評価される彼女だが、女優志望だけに何らかの表現の意図やテーマを持って公演に望んでいるのであろう。
現在のチームKIIでも「眼差しさよなら」で従来は抑制されたイメージだったのが溢れ出るような表現になっているのが新鮮で印象的だ。
彼女は人前で話すのが苦手のようだ。
彼女を見ていると、演じたり歌ったり踊ったり、サックスの演奏に没入することで
自らが解放されているかのような、根っからの表現者としての才を感じる。
総選挙の影響か従来のアイドルよりスピーチやトークなど言葉力が求められることの多い48グループであるが、メンバー誰もがファンから指原や峰岸のような饒舌さを求められているわけではない。
時として涙もろく情緒不安定な所も見られるが、それはちょっとした感情や思いに敏感で
感受性が豊か過ぎる
事の証しだ。
総選挙前のドラマ「ヤメゴク」での気っ風の良い演技には、ほんの数分にもかかわらず一瞬で持って行かれた。
おそらく彼女はタイプ的にいわゆる憑依型の女優として、おおいに可能性を秘めているように思う。
ブブカのインタビューでは自分の性格が嫌いだったことを吐露しているが、去年の総選挙結果の不甲斐なさに様々な感情が溢れ出て、自分でも押さえきれなくなっていたのは覚えている。
言葉も稚拙ゆえに誤解された面もあるだろうがエゴイスティックな感情が先に立ち、周りへの感謝などの配慮が足りなかったことや、シングル「12月のカンガルー」でのセンター交代劇で、なぜもっとりょうはと宮前を支えれなかったのか?など彼女の中で
かなりの葛藤が渦巻いていたようだ。
舞台AKB49、TVドラマ、総選挙と目まぐるしい流れの中で、僕たちの目も追いつかないくらいの勢いで、時には傷つきながら走り抜けて...どうやら悩みのトンネルは抜け出たようである。心を利他のスタンスにすることで少し楽になったようだ。
心の奥にある気持ちは誰にも言った事がないとのことだが、彼女はそれでいいのかもしれない。
言語化するのが苦手なのもあるだろうが、何より舞台の上で演じること、表現することによって
昇華され救われるタイプに違いないからだ。
古畑奈和は今推していて最も楽しいメンバーの一人かもしれない。
もう一歩、あと一歩で更なる夢の世界に踏み出す事が出来る!
そんな希望を感じさせてくれるからだ♪